これまでに70名以上の患者さまの「在宅での看取り」を支えてまいりました。病気を治すことだけが医療ではありません。身体の痛みや心の不安を取り除く「緩和ケア」を通じて、患者さまとご家族が後悔なく過ごせる時間をお守りします。
在宅緩和ケア・看取りの対象となる疾患
- がん末期
- 肝硬変末期
- 心不全終末期
- 慢性呼吸不全(COPDなど)
- 神経難病(ALSなど)
- 老衰
在宅での看取り体制について
ご家族の不安に寄り添うため、状態に応じて以下の対応を行います。
- 訪問回数の増加
- 臨時往診(応診)
- 医師・看護師からの電話フォロー
医療的対応だけでなく、精神的な支えも含めて納得のいく看取りを支援します。
ACP(人生会議)と意思決定支援
当院では早期からACPを確認しています。
- 人工呼吸器を希望するか
- 心肺蘇生を希望するか
- 延命治療の範囲
迷っている場合でも、その時点での意思を共有することが重要です。急変は予測できないため、継続的に見直していきます。
在宅だけでなく他の選択肢も提案します
当院では自宅での看取りのみを勧めているわけではありません。
- 緩和ケア病棟
- 施設入所
緩和ケア病棟は、面談や調整に時間がかかるため、早めのエントリーを推奨しています。
在宅緩和ケアの具体的な医療内容
疼痛コントロール
ロキソニンやカロナール、湿布薬では鎮痛効果が得られなくなった場合、病院同様に以下のような薬を使用します。
- オキシコドン(オキシコンチン、オキノームなど)
- フェンタニル貼付剤(フェントステープ)
- モルヒネ製剤(オプソ、アンペック坐薬など)
- トラマドール(トラマール、トラムセット、ワントラム)
- ワコビタール坐薬
- ダイアップ坐薬
在宅でも適切な薬剤調整により、痛みを最小限に抑えることが可能です。
皮下点滴(CADDポンプ使用)
経口摂取が難しい場合でも、皮下点滴により負担の少ない水分補給が可能です。点滴からの麻薬鎮痛剤の使用も可能です。
呼吸苦・不安への対応
酸素療法や薬剤を組み合わせ、安心して過ごせる状態を整えます。
当院の在宅緩和ケア・看取りの特徴
- 70件以上の看取り実績
- 24時間365日対応
- ご家族への継続的フォロー
在宅看取り・緩和ケアに関するよくある質問
自宅で最期を迎えることは本当に可能ですか?
はい、可能です。当院ではこれまでに70件以上のご自宅での看取りに対応してきました。医師と看護師が連携し、24時間体制で支援することで、病院と同様に安心できる医療を自宅でも提供しています。ご家族の不安にも寄り添いながら、その方らしい最期を支えます。
看取りが近づいたときはどのような対応になりますか?
状態の変化に応じて訪問回数を増やし、必要時には臨時往診を行います。また、医師や看護師からの電話でのフォローも行い、ご家族の不安をその都度解消できる体制を整えています。最期の時間をご家族と穏やかに過ごせるよう、状況を丁寧に説明しながら支援します。
最期のときは苦しみませんか?
苦痛を最小限にすることが緩和ケアの重要な役割です。痛み、呼吸苦、不安などの症状に対して薬剤を調整し、できる限り穏やかに過ごせる状態を目指します。完全にゼロにすることが難しい場合でも、ご本人が耐えられるレベルまで軽減できるよう対応します。
痛みはどのようにコントロールしますか?
オキノーム、フェンタニル貼付剤、モルヒネなどの医療用麻薬を中心に使用し、状態に応じて細かく調整します。また、不安や筋緊張が痛みに影響している場合には、必要に応じて他の薬剤も併用しながら苦痛の緩和を図ります。在宅でも十分な疼痛コントロールが可能です。
麻薬を使うことに不安があります
医療用麻薬は適切に使用すれば安全性が高く、痛みを和らげるために欠かせない薬です。依存や寿命への影響を心配される方も多いですが、医師の管理のもとで症状に合わせて使用するため、必要以上に不安を持たなくて大丈夫です。ご不安がある場合は、使う理由や副作用について丁寧にご説明します。
呼吸が苦しくなったときはどうなりますか?
酸素療法や薬剤を用いて呼吸苦を和らげます。呼吸の苦しさは適切な対応で軽減できることが多く、ご本人が少しでも安心して過ごせるよう、状態に応じて迅速に調整します。必要時には往診や電話でのご相談にも対応します。
食事や水分が取れなくなった場合はどうしますか?
終末期では、無理に食事や水分を取らせることがかえって苦痛につながる場合があります。そのため、自然な経過を大切にしながら、必要に応じて皮下点滴などでサポートします。何をどこまで行うかは、ご本人の状態やご希望を踏まえて一緒に考えていきます。
皮下点滴とは何ですか?
皮膚の下にゆっくりと水分や薬剤を投与する方法です。血管確保が難しい方でも行いやすく、身体への負担が比較的少ないのが特徴です。ご自宅でも安全に管理できる方法で、必要時には持続注入ポンプを用いることもあります。
夜間や休日に状態が悪くなった場合はどうなりますか?
当院では24時間365日対応しており、夜間や休日でも必要に応じて往診を行います。急な変化があった場合でも、まずはお電話でご相談いただくことで、状況に応じた対応をご案内できます。ご家族だけで抱え込まないでいただくことが大切です。
急変した場合、救急車を呼ぶべきですか?
事前にACP(人生会議)で確認した方針に基づいて対応します。延命治療を望まない場合には、ご自宅での対応を優先することもあります。急変時はご家族が非常に迷いやすいため、あらかじめ考え方を共有しておくことが重要です。迷われた場合は、まず当院へご連絡ください。
延命治療を行わない選択はできますか?
可能です。人工呼吸器や心肺蘇生などの延命治療については、ご本人の意思を尊重しながら事前に確認します。その内容はご家族とも共有し、いざという時に迷わないようにしていきます。大切なのは、その時点でのご本人の考えを言葉にしておくことです。
ACP(人生会議)はいつ行うべきですか?
できるだけ早い段階で確認することが大切です。まだ決めきれない場合でも、その時点での考えを共有しておくことで、急な状態変化があった際にご本人の思いを尊重しやすくなります。ACPは一度決めて終わりではなく、状況に応じて何度でも見直していきます。
本人が意思表示できなくなった場合はどうなりますか?
これまでに確認してきたご本人の意思や価値観をもとに、ご家族や関係職種と相談しながら方針を決定します。そのため、元気なうちから「どう過ごしたいか」「どこまで医療を望むか」を共有しておくことがとても重要です。
自宅での看取りが難しい場合はどうなりますか?
状況に応じて、緩和ケア病棟や施設への移行もご提案します。当院はご自宅での看取りだけを勧めているわけではなく、ご本人・ご家族にとって無理のない療養場所を一緒に考えることを大切にしています。
緩和ケア病棟はいつ頃から準備すればよいですか?
比較的早い段階からの準備をおすすめしています。緩和ケア病棟は、ご家族との面談や調整が必要で、入院までに時間がかかることがあります。まだ状態が安定していても、早めに情報収集やエントリーを進めておくことで、いざという時の選択肢を確保しやすくなります。
看取りの直前はどのような変化がありますか?
食事量の低下、眠る時間の増加、呼吸のリズムの変化、反応の低下などがみられることがあります。こうした変化はご家族にとってとても不安なものですが、その都度、今どのような状態なのかをわかりやすくご説明し、安心して見守れるよう支援します。
亡くなる瞬間に立ち会えますか?
多くの場合、ご家族がそばで見守ることができます。ただし、亡くなるタイミングを正確に予測することは難しいため、状態の変化や近いサインをお伝えしながら、できる限り大切な時間を一緒に過ごせるよう支援します。
亡くなった後はどうすればよいですか?
ご逝去後は医師がご自宅へ伺い、死亡確認を行います。その後、葬儀社へのご連絡など次の流れについてもご案内します。初めてのことで戸惑われるご家族がほとんどですので、落ち着いて対応できるよう丁寧にサポートします。